カトリック神戸中央教会

Kobe Central

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キム・テゴン神父
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クリスマスが近づくと

クリスマスが近づくと、思い出す話があります。
それは「貧しい人の父」と呼ばれて尊敬された、フランス人司祭アベ・ピエール神父様の幼いころのお話です。

神父様が幼いころ、毎年 待降節の時期になると、神父様のお父さんは、リビングに大きなクリスマスツリーと飼葉桶をかざり、家族全員に それぞれ違う動物の人形をくれたそうです。
それから毎晩家族が集まって、その日に自分がした良い行いを話し合い、発表された良い行いが家族みんなの気に入ったら、その子の人形を、飼葉桶に寝かされている幼子イエス様に一歩近づけるように移動させてくれた、というのです。
そしてクリスマスの夜までに、幼子イエス様に一番近づけた子に、お父さんが一番大きなプレゼントをくれたのだそうです。
「あの時、家族みんながイエス様に近づこうとどれだけがんばったことだろう」と、神父様は、クリスマスの美しい思い出を語っています。
私はこの姿こそ、クリスマスを準備し、福音を生きていく姿ではないかと思います。

クリスマスとは何でしょう?
イエス様が生まれた頃、今のように、クリスマスツリーもデパートのセールも、デコレーションケーキも、華やかなイルミネーションもありませんでした。
いったい、これらはクリスマスとなんの関係があるのでしょう?

クリスマスは騒がしいお祭ではありません。静かで、神聖な夜です。
騒がしく、あわただしい所では、クリスマスの神秘は見つけられないでしょう。
クリスマスは、もともと、貧しく、みすぼらしいものです。
赤ん坊、馬小屋、もっとも貧しい人々、羊飼いたち、そして権力者を避けて逃げること。
まさにそれが、神様に関係することです。

神様が小さくなってくださった。神様が弱くなってくださった。
神様が、神様ご自身を私たちにくださったのです、その愛を通して。
そして、「ついてきなさい」と、私たちを招いてくださいます。
勝利と光あふれる栄光の中にではなく、馬小屋の貧しさの中へと。

神様は、貧しい馬小屋の私の中にも、貧しい愛の私の中にも、貧しい才能の私の中にも、拒んでいる私の中にも、いてくださいます。
神様がうんと小さくなってくださったのです。
神様は、私たちと一緒に歩こうとして くださいます。

「主がわたしを遣わされたのは、捕らわれている人に解放を、目の見えない人には視力の回復を告げ、圧迫されている人を自由にし、主の恵みの年を告げるためである」

「この聖書の言葉は、今日、あなたがたが耳にしたとき、実現した。」

出典元:2021プネウマクリスマス号より

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