カトリック神戸中央教会

Kobe Central

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赤波江 豊神父
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黙想のヒント 復活節第3主日

「あなたがたに平和があるように」(ルカ24:36)

復活したイエスは静かです。
まるで何事もなかったかのように、まるで受難の苦しみが嘘であったかのように静かに弟子たちに現れます。
しかも現れたときの第一声が「あなたがたに平和があるように」です。
なぜでしょうか?受難の苦しみのとき弟子たちはイエスを見捨てて逃げて行ってしまいました。
あれほど愛していた弟子たちに見捨てられたのなら、復活したときイエスは弟子たちを叱責してもよさそうなものですが、叱責どころか不平不満も一切なく、ただ「あなたがたに平和があるように」です。

受難の夜、弟子たちはイエスを見捨てました。
しかしイエスは弟子たちを愛し続けていました。弟子たちはイエスを探しませんでした。
しかしイエスの方が弟子たちを探して会いに来てくれました。
弟子たちはイエスを信じていませんでした。しかし見捨てられたイエスの方が弟子たちを信じ続けていました。

受難の夜イエスを見捨てたことは弟子たちの人生最大の失敗であり後悔でした。
しかしその人生最大の失敗は返ってイエスの最大の愛を知るきっかけになったのでした。

「自分たちはイエスを裏切ったのに、イエスは自分たちを愛して信じ続けてくれていた」
この体験があれほど弱かった弟子たちを力強い宣教者へと変えたのでした。
ここに人を立ち直らせる原点があります。

宣教期間中イエスは徴税人や罪深い女性など多くの罪人と出会いましたが、一度も彼らの過去を問うことはありませんでした。
出会った時が恵の時だから。
復活したときも弟子たちの罪深い過去を問うことはありませんでした。
出会った時が恵の時だから。
そして私たちにとっても同じで、イエスは私たちの罪深い過去を一切問わない。
出会った時が恵の時だから。

「あなたがたに平和があるように」
イエスのこの言葉の意味は「私はあなたの過去を責めるようなことは一切しない。出会った時が恵の時だから。今日から希望をもってしっかり生きていきなさい。」

皆さん生きる力が湧いてきましたか。

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