カトリック神戸中央教会

Kobe Central

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赤波江 豊神父
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黙想のヒント 年間第33主日

「天地は滅びるが、わたしの言葉は決して滅びない」(マルコ13:31)

聖書の中で「滅びる」とか「終わる」という言葉が時々出てきます。
初代教会の頃、もうすぐこの世が終わるという風潮があったようです。
紀元1000年の頃も同じような風潮があったそうです。
そして紀元2000年が近づいた頃、やはり同じような風潮がありました。

昔、書店に行くとよく「ノストラダムスの大予言」という本があって、たしか1999年の7月に人類は滅亡するという内容ではなかったと思います。
これは当時公害問題などで将来に不安を感じていた日本人の心を揺さぶって、かつてベストセラーにもなりましたが、内容はオカルトでオカルトブームの先駆にもなりました。
でも今なお人類も地球もしっかり存続しています。
確かに一般社会では、「滅びる」=「滅亡」=「跡形もなくなる」というイメージがあるかもしれません。
しかし決してオカルトのイメージで聖書を読まないでください。

聖書の視点、出発点は「終わり」や「滅亡」ではなく、常に「新しさ」「誕生」「再生」なのですね。
ですから新しいものが生まれるために古いものは過ぎ去らなければならない。
新しい時代を迎えるために、古い時代は終わらなければならない。

イスラエルは長い間様々な外国の支配下にあって、早くこの悪い時代が過ぎ去って新しい時代と新しい救い主の到来を待ち望んでいました。
時は過ぎ去る。それは新しいものが生まれるためにこそ古い時は過ぎ去らなければならないのですね。

時々雨の日が続いて気が滅入っているとき、ある大切なことをよく忘れます。
それは、いくら雨の日が続いても、雲の上には相変わらず太陽の光が燦然と輝き続けており、その雲はいつか風に流されて必ず太陽の光が注がれるということを。
同じようにわたしたちを悩ませる心の曇りの背後にはいつも聖霊の光が輝いており、その心の曇りもいつまでも続くものではなく、神が望まれるときその曇りも取り払われて聖霊の光が再び訪れてくれます。
確かにいいことも過ぎ去るが、悪いことも必ず過ぎ去る。聖霊の光の訪れを待ち続けましょう。

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