カトリック神戸中央教会
Kobe Central
catholic church
赤波江 豊神父
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「この貧しいやもめは、誰よりもたくさん入れた」(マルコ12:43)
賽銭箱の向かいに座って、群衆がそれに金を入れる様子を見ておられるイエスの姿は容易に想像できますね。
というのは、私たちもお寺などの境内などで人々が賽銭をいれる様子を時々目にしますから。
ところでイエスの目に一人の女性の姿が映ります。
その雰囲気からして貧しいやもめであることが分かりました。
大勢の金持ちがたくさん入れる中、彼女はレプトン銅貨2枚をいれました。
これが彼女の全てでした。
その光景を見ていたイエスは、やがてその貧しいやもめの姿のなかに自分の将来の姿を感じ取ったのでしょう。
やがて十字架の道を歩まなければならないイエスは当時の権力者たちの目から見れば、イエスの命などレプトン銅貨2枚に過ぎないかも知れません。
それでもイエスは人々の救いのために自分の全てをささげます。
自分の全てをささげるとはどういうことなのでしょう。
かつてマザーテレサの修道院で砂糖が尽きたことがありました。
それを聞いた近くの小学校の先生が子どもたちに、修道院で砂糖が尽きたことを話しました。
一週間後ある小さな男の子が両親とともに修道院を訪れ、マザーテレサにおそるおそる小さなビンを渡しました。
そのビンの中には修道院の砂糖が尽きたことを知ったその子が、シスターたちのために節約した自分の一週間分の砂糖が入っていたのでした。
これがその子の全てでした。
マザーテレサは大いに感動し喜びました。
マザーテレサの有名な言葉「わたしたちは偉大なことはできないかもしれません。でも小さなことを偉大な愛をもってささげることはできます。」
この言葉はこのような小さな子どもたちから学んだのでしょう。
従って、その小さな男の子はマザーテレサに偉大な愛を教えた、偉大な先生となったのでした。
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