カトリック神戸中央教会

Kobe Central

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赤波江 豊神父
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黙想のヒント 待降節第2主日

「知る力と見抜く力とを身に着けて、あなたがたの愛がますます豊かになり、本当に重要なことを見分けられるように。」(使徒パウロのフィリピの教会への手紙1:9~10)

ロヨラのイグナチオは、重要なことは嵐の中で決断しないように、嵐が過ぎ去った後に決断するようにと教えました。
つまり、何か重要なことを決断するときは決して心が怒り、不安、混乱、パニック状態にあるときにしてはいけないということです。
必ず後で後悔します。

このことは多くの人やグループが経験してきました。
大切な決断は心の嵐が過ぎ去ったの、静寂さの中で決断しなければならないのですね。
また、このことはイグナチオだけではなく、歴史に登場した賢人たちも共通して語っています。
一見していいと思われることが必ずしも聖霊の働きではないのです。

教会でも何か大切なことを決めるとき、怒り、混乱、熱狂、パニックなどの嵐の中では決して決断しないでください。
そのような状態で決定されたことは幻想であることが多く、一見いい考えに思えても必ず落とし穴があり、やがて教会に混乱と分裂をもたらします。
議論が混乱してきたら思い切って中断し、嵐が過ぎ去るのを根気よく待ち、それから決定してください。

何が聖霊の働きであるかは識別が難しいときがありますが、ひとつのしるしがあります。
それは、今日の朗読箇所ではありませんが、パウロが聖霊の実り、つまり聖霊の働きのしるしとして挙げている「愛、喜び、平和、寛容、親切、善意、誠実、柔和、節制」(ガラテアの教会への手紙5:22~23)です。

このように、個人でも、共同体でも、心が愛を始めとする聖霊の九つの実りに満たされた静寂さの状態にあるときにこそ、今日パウロが言うように、「本当に重要なこと」を見分け、決断するようにしてください。

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