カトリック神戸中央教会

Kobe Central

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赤波江 豊神父
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黙想のヒント 復活の主日

「イエスは死者の中から復活されることになっているという聖書の言葉を、二人はまだ理解していなかったのである」(ヨハネ20:9)

死者の中からの復活とは何でしょうか。
難しいですね。「二人はまだ理解していなかった」どころか、私たちもまだ理解していないですよね。
私もまだ理解していません。まだ死んだことがありませんから!
でも次のように考えてみるのも復活信仰へのアプローチになるのではないでしょうか。

弟子たちがイエスの言葉と行いの意味を理解したのはイエスの死と復活と昇天の後、即ち目に見えない姿となった後でした。
イエスの言葉と行いは弟子たちの心に強く焼き付けられました。
即ち、イエスの「記憶」があれほど弱かった彼らの人生を逆転させ、力強い宣教者へと変貌させたのです。

NHKの番組に「逆転人生」というのがありますね!
まさに弟子たちの人生のことです。彼らを変えたのはイエスの「記憶」です。

私たちは復活というと、どうしても自分が死んだ後のことをよく考えます。
でも私たちはまだ死を経験していない。
確かに死の彼方には何か大いなるものがあるに違いないとは信じているが、まだ見ていない。
そこで、まだ見ていないものについて考えてばかりいても仕方がない。大事なことはいかに自分の記憶を次の世代に残すかということではないでしょうか。

記憶は人を生かしもし、殺しもする。
いい記憶を残された人はその記憶を道標(みちしるべ)にまたしっかりと人生を歩みます。
反対に悪い記憶を残されたらその人の人生の歩みが止まってしまうかも知れない。

天国も地獄も人の心の中にあり!しかも記憶に残るのはその人の「人柄」だけです。
能力や業績はあまり記憶に残りません。
優しかったか、誠実であったか、偽りがなかったか、これだけです。

この記憶が残された人の道標となり、場合によったら弱かった人たちの人生を逆転、復活させるのです。
復活信仰!自分のことより、もっと次の世代のことを考えましょう。

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